一番最初にバイクについて興味を持ったのは何時だ?18歳の時、僕はお金がなくていつも中古の本屋に行って、漫画を読んでいた。その中の一つに東本昌平の「キリン」がある。
主人公はバイク好きの中年男性で高速道路でとても大きな事故を起こして奥さんに逃げられ、働けるようになってからもBMWの古いバイクに乗って、うだつの上がらない日々を送っていた。そんなクリスマスの夜に女の子を口説いて、お持ち帰りする。漫画の冒頭数ページくらいで、もうセックスしてしまう。(なんでもそうなんだが、僕がコンテンツに興味を持つ場合は大体女の子が出てくる。)そうした後に過去の自分にけりをつけるために、自分が事故を起こした当時最速だったズキのGSX1100S(通称カタナ)に乗って、ポルシェ乗りと速さを競うという漫画だった。主人公が中年の男性だったこともあって、あまり感情移入できなかったけれども、一応最後まで読んだ気がする。キリンは第一部から第四部で構成されていて、この一巻は第一部の「POINT OF NO RETURN!」編だ。
また時が経ち、ちょっとお洒落な雑貨屋さんで大きなポップと説明文で飾られた一冊が置いてあったのが目に留まる。これはキリンだ!!
この16巻ではストーリは第二部の「RUN THE HAZARD」編に代わっていて、主人公も高校を中退したマサキという青年に替わっている。やっぱりクラブとか自分が普段行く喫茶店で女の子をひっかけてセックスする。(本当に羨ましい。)さらには喫茶店のマスターがカスタムした、GPZ900R(通称ニンジャ)に乗って、首都高を疾走する。男にとって欲しいものが全部詰まったような漫画だった。その頃から僕はバイクに乗りたい!!と思うようになってしまったのでした。
当時はバイクを買うお金もなくて自転車でカーブを曲がるときにハングオフしてみたりして、バイクに乗っている自分を想像してワクワクしていた。「こんなに素晴らしい乗り物にいつか乗って見せる!!」そんな気持ちだけで日々を過ごしていた気がする。
そうして今35歳になるわけなのです。そんな僕が今乗っているバイクがこれです。

もう少しで40歳、漫画の主人公みたいにセックスはできていないし彼女もいないけれども、もう少しで僕も中年、「POINT OF NO RETURN!」が近づいている。どんな人生になるのだろうか?

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