千葉でUber Eatsの副業は割に合うのか――売上1時間1,200円の日に考えたこと

夕暮れの街を走る配達ライダーに時計とお金を重ねた、副業と時間を表すイラスト 人生・幸福

最近お金がないので、副業でウーバーイーツ(Uber Eats)の配達をしている。僕は千葉に住んでいるので、主要な駅の周りでバイクを走らせている。

お金が欲しくて働いているわけなのだが、たくさん稼ごうとすれば、それなりに時間も使う。すると、お金を手に入れた先で楽しみたかったはずの、読書やゲームの時間が減っていく。

僕は自由な時間が欲しくてお金を稼いでいるのか。それとも、お金を稼ぐために自由な時間を手放しているのか。

少し気になったので、収支ではなく、1日の時間を数えてみることにした。

配達で稼ぐには、バイクに乗る時間が必要になる

配達でもらえる金額は、時間帯やエリアによってまちまちだ。僕の場合、思ったほどお金にならない日もある。ある日の売り上げを稼働時間で割ってみたら、1時間あたり1,200円くらいだった。

これは僕がその日に出した売り上げの話で、配達をすれば誰でもこの金額になるということではない。それに、売り上げと、燃料代などを引いて手元に残るお金は同じではない。

もっと稼ぎたい。そう思ったとき、僕がまず考えるのは、配達する時間を増やすことだ。しかし、本業の外に使える時間は、そもそもどれくらいあるのだろう。

通勤・仕事・睡眠で、1日はどれくらい埋まるのか

僕の通勤は往復で約2時間。この通勤に、仕事と残業、休憩を合わせた拘束時間が約10時間になる。ここでは、通勤を含めた10時間として数える。

これだけで1日のかなりの時間を使っている。さらに、睡眠を8時間、朝の出勤前の支度を1時間30分とすると、残りは4時間30分になる。

いや待て待て、晩御飯を食べる時間も必要だ。昼食は仕事の休憩中に取るとして、夕食を食べる時間に30分を使うと、内訳はこうなる。

本業の拘束時間(通勤・残業・休憩込み):10時間
睡眠:8時間
出勤前の支度:1時間30分
夕食を食べる時間:30分
合計:20時間/残り:4時間

24時間 −(10時間 + 8時間 + 1時間30分 + 30分)= 4時間。

仕事のある日を、この内訳で考えた場合の話である。毎日きっちりこのとおりに動いているわけではないが、僕にとっては、思ったより残らないなというのが率直な感想だ。

残った4時間を、全部好きなことに使えるわけではない

しかも、この計算には、夕食を作る時間や片付け、洗濯、掃除などを、それぞれ別の時間としては入れていない。残った4時間が、そのまま全部、趣味に使える時間というわけではないのだ。

本を読んだら、何ページくらい読めるだろう。ゲームが4時間できれば楽しめるだろうか。映画でも、音楽でも、ほかの趣味でもなんだっていい。皆さんは、好きなことに時間を使えていますか。

まあ36歳だしね、大人だしね、こんなもんよ。そう言ってしまえば、それで話は終わるのかもしれない。

でも、もっと拘束時間が長い人もいるだろう。そうなると、「健康で文化的な生活」のうち、文化的な生活を営む時間は、どこに残されているのだろうか。

売上1万円に、何時間を使う計算になるのか

もう少し具体的に、あの日の1時間あたり1,200円という売上で計算してみる。これは将来の報酬を予測する数字ではない。時間を増やすという選択が、自分の生活のどこに入るのかを確かめるための仮定だ。

目標にする売上1時間1,200円と仮定した稼働時間
1万円約8時間20分
3万円25時間
10万円約83時間20分

仮にひと月を4週間として週6時間ずつ走るなら、合計24時間、売上は28,800円になる。ここから燃料代などを引く。これは僕の月間収入の実績ではなく、同じ売上ペースが続くと置いた計算例である。待機の長さも報酬も変わる以上、毎週このとおりになる保証はない。

1万円と聞けば、生活の足しになる金額として考える。8時間20分と聞けば、休日のかなりの部分を使う長さとして考える。同じ話なのに、どちらを先に見るかで印象が変わる。副業の売上を眺めるときには、通帳に足される数字の裏側に、予定表から消える時間がある。

「時給」を比べる前に、分母と経費をそろえる

配達中だけを数えるのか、次の依頼を待った時間も含めるのか。それだけでも、1時間あたりの売上は違ってくる。さらに、自宅から稼働する場所までの移動や、帰宅までを含めれば、生活の中で副業に使った時間は長くなる。誰かの高い数字と自分を比べる前に、何を数えた数字なのかを確かめる必要がある。

僕の1,200円という記録も、これだけで副業全体の採算を説明するには足りない。燃料代、消耗品や整備にかかるお金、配達のために増えた支出まで、同じ期間で整理して初めて比較できる。後日かかる交換費用をその日の売上から意識するのは難しいが、支払いが先になるだけで、使った分が消えるわけではない。

  • 売上:その日に受け取る報酬の合計。
  • 稼働時間:待機を含むかを明記し、同じ基準で記録する。
  • 生活から使った時間:準備と往復の移動を含めて別に残す。
  • 支出:燃料代など実際の支払いを記録し、整備費は期間をそろえて考える。

売上から関連する費用を引いた金額を、生活から使った時間で割る。僕が知りたいのはこちらの数字だ。ただし、それも税金などをすべて反映した最終的な手取りとは限らない。見栄えのよい時給を一つ作るより、何を含めて何を含めていないかが分かる記録にしたい。

空いた4時間を、副業に使える4時間と考えない

先ほどの一日の計算で残った4時間には、調理や片付けも入ってくる。そこへ2時間の配達を足すと、残りは2時間になる。数字だけなら収まりそうでも、その時間に何を諦めたかは、足し算からは見えない。

読書やゲームは、いつでも後回しにできる。締切がなく、しなくても誰かに注意されるわけではない。そのため、生活が苦しくなるほど、自分で楽しむ時間から順番に削ってしまう。好きなものを持っていることと、それを楽しめる生活を持っていることは別なのだと、副業を考えるときには感じる。

だからといって、配達をやめれば済む話でもない。必要なお金が足りなければ、休んでいる間もそのことが気にかかる。副業を増やすか減らすかだけでなく、支出を見直す余地と、残しておきたい時間を並べて考える。僕には、その両方が必要だ。昼食を用意する手間と費用については、弁当づくりで、お金と時間を数え直した記事にまとめた。

お金を何に使うかと同じくらい、時間を何に使うか

もちろん、お金がなくても構わないと言いたいわけではない。今の僕にはお金が必要だから、副業をしている。生活を支えるためのお金と、好きなことをするための時間を、そんなに簡単に切り分けることはできない。

ただ、お金を増やすことだけを考えていると、そのために何時間を使ったのかを見落としてしまう。僕が手に入れたかったのは、数字としてのお金だけではなく、それを使って楽しむ時間でもあったはずだ。

いくら稼げたか。それと同じくらい、何をする時間が残ったかも考えたい。

僕は、お金よりも時間の方が大事だと気付くまでに、だいぶ時間がかかってしまった。これからはもう少し、収支を気にするのと同じくらい、時間も考えて生きたいと思う。

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では、自由な時間さえあれば、それで幸せなのだろうか。時間を楽しむ余力や、休みの日の過ごし方については、「自由な時間があれば幸せなのか――時間と幸福について」で考えた。

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